浅川近くの中村さん宅は氾濫で床上3メートル余まで浸水し「全壊」の判定。今は仕事仲間高見沢浩一さん(57)=須坂市=の家に身を寄せる。自宅の修繕はトイレや台所、風呂だけで約400万円。「(それとは別に)1階の修繕を業者に頼む余裕はない。最低限の暮らしができるよう仲間と直すしかない」と漏らす。
周囲では、自宅修繕に多額の費用がかかるものの、ローンを組めないと嘆くお年寄りの声を多く聞いた。何とかしたいと思ったが、自治会の役員も被災し、地元を離れて仮住まいする人もいて、お年寄りの声をどこに届ければいいか分からなかった。
自らは市の被災者相談窓口に相談していたが、同じような境遇にある被災者の声をまとめて要望する方が効果的と考えた。高見沢さんと相談し「組合」を結成、被災家屋の現状などを伝える「機関紙」を発行したり、被災者の声を聞くアンケートをしたりしている。活動に賛同する被災者らは現在約70人という。
1月下旬には、長野市豊野町豊野の自宅が床上浸水した内装業の山口悦夫さん(68)を訪ねた。「仕事はある程度再開できたが、今後の暮らしに不安は尽きない。不安を語り合う機会がほしい」と山口さん。中村さんは「小さな集まりでも、被災者が何に困っているのか語り合える場をつくりたい」と応じた。
「組合」の活動として、9日午後2時から市豊野隣保館で、信州大工学部(長野市)建築学科の中谷岳史助教を招いて被災住宅のかび対策講習会を計画。中村さんは「今後も被災者の細かな悩みや要望を聞く受け皿になりたい」と話している。
(2月5日)
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February 05, 2020 at 07:09AM
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台風19号被災者の声集める受け皿に 長野の男性、任意の「組合」結成 - 信濃毎日新聞
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