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Saturday, December 26, 2020

「雑草に困る」との被災者の声でヤギ飼育、劣悪な環境に41匹…震災ボランティアから引き取る - 読売新聞

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 宮城県亘理町でヤギ41匹が劣悪な環境で飼育され、虐待されていた事件で、ヤギを哀れに思った同県石巻市の男性2人が飼育していた男性(55)の了解を得て、すべて引き取った。男性と手紙のやり取りなどで交流を重ねる2人は、「ヤギは愛情を持って育てられていたことがわかった。責任を持って育てたい」と口をそろえる。(木村友美)

 男性は9月、ヤギをふん尿などが積もった状態で飼育し、虐待したとして動物愛護法違反容疑で逮捕され、今月2日に10万円の罰金刑を受けた。

 この事件でヤギを心配したのが、不動産業などを営む阿部忠昭さん(76)と、酪農家の菅原庄治さん(66)。

 元々、家畜などとしてヤギを飼育していた2人は10月、宮城県警岩沼署で勾留中の男性と面会し、ヤギの引き取りを申し出た。当初は拒絶した男性だったが、起訴され、しばらくヤギの世話をできないと知ると譲渡を認め、阿部さんが21匹、菅原さんが20匹を引き取った。

 男性から阿部さんらに届いた手紙には、「ヤギたちの様子はいかがですか」といった近況を聞くものや、「冬はヤギのエサをどう工面するかばかりを考える毎日でした」「ヤギには雑草や野菜くず、イチゴの葉などを食べさせていました」などと飼育を振り返る内容が書かれていた。

 阿部さんらは、ヤギを石巻市に移動したこと、引き取ったヤギが子を産んだことなどを伝えた。

 男性は震災ボランティアとして県外から来た。ヤギを飼い始めたのは、「雑草に困っている」という被災者の声を聞き、食べさせるため。被災した子供がヤギと触れ合うアニマルセラピーにも取り組んでいた。

 男性の手紙には「県外の震災ボランティアが活躍している姿を見て、その人たちを目標にしていた」とも書かれていた。阿部さんは「情熱を持ってボランティア活動に励んでいたんだね」とおもんぱかった。

 引き取られたヤギは、2人が元々飼っていたヤギと一緒に過ごしている。痩せたヤギも、病気のヤギもいないという。男性は取材に「ヤギを引き取ってくれ、本当に感謝している」と話した。阿部さんは、逮捕前から車中泊を続けていた男性のために、石巻市に住まいを用意した。

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