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Friday, February 12, 2021

耐えた被災者に敬意 原田英之・袋井市長 - 中日新聞

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宮城県岩沼市との友好都市証を手にする袋井市の原田英之市長=袋井市役所で

宮城県岩沼市との友好都市証を手にする袋井市の原田英之市長=袋井市役所で

 東北大の学生時代、仙台市と宮城県岩沼市に暮らしました。その時の思いが、東日本大震災発生後すぐの支援につながったのは事実です。発災四日後ぐらいに支援物資を送り被災者を市営住宅に受け入れました。

 一カ月後、岩沼市を視察しました。田んぼの中に、あってはならない、いろんなものがあったのを鮮明に覚えています。津波の水は引いていたけど、車が転がり、お墓が倒れていた。

 十年たつと記憶が薄れるけど、距離が離れた袋井市にいても、今も光景が目に浮かぶ。被害を受けた人はなおさらでしょう。まもなく市長の職を離れますが、一ボランティアとして自然災害で被災した人が通常の生活に戻る支援をしたい。

 去年の秋に岩沼市を訪問しました。三月の震災十周年の式典に行けないから。岩沼市とは震災をきっかけに防災交流都市協定を結びました。友好都市の提携もしました。岩沼市が造った津波避難地「千年希望の丘」は、袋井市中新田の命山(いのちやま)に倣ったものです。

 震災は残念ながら風化しました。袋井市の防潮堤はあと五年もすればできると思いますが、風化はとても怖い。忘れないためにも、被災した人たちに思いをはせるべきだ。それが災害への備えになります。

 「十年ひと昔」とよく言います。十年たつと、被災した人はそれぞれの生き方を見つけ、覚悟ができる。あなた方のことをいつまでも忘れない、というと、うそになる。被災後三年から五年ぐらいなら、それでいい。十年たつ今は、よく耐えて、明るい日々を迎えられているといい。親が子どもを見守る親子の関係ではなく、一対一の人間として。困難に耐えて今日(こんにち)のお姿がある。敬意を持っています。 (取材・河野貴子)

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