川崎市中原区の武蔵小杉駅近くでオーガニック(有機野菜)料理教室を主宰する菅野のなさん=同市幸区=が、ひとり親家庭の支援を始める。熊本地震で被災したひとり親世帯を対象に、無料でオンライン料理教室を実施。「自分なりにできる今までにない支援をしたい」。東日本大震災の被災地とも連携し、新しい支援の形を提案する。 【写真でチェック】東日本大震災の後に誕生した「たかたのゆめ」 「缶詰やレトルト食品を提供して終わりの一過性の支援でなく、一生役立つ料理の基本を伝えたい」 菅野さんが発案したのは、ご飯とみそ汁を自分の手で作ることや料理をすることで、達成感や自信につなげてもらう試みだ。 料理教室は5月から月1回で3カ月間を予定。熊本県ひとり親家庭福祉協議会の協力の下、同県益城町を中心にひとり親世帯最大40組程度の参加を見込む。通常のオンライン料理教室は1回当たり数千円の費用が必要だが、無償で提供する。 また、おにぎりの材料となるコメは東日本大震災で甚大な津波被害を受けた岩手県陸前高田市が用意。震災後に誕生したコメ「たかたのゆめ」数キロが参加者に届けられる予定だ。同市によると「これまでの支援に感謝し、サポートされる側から支援する側になろう」との思いから提供を決めたという。 「受講者は少ない食材で気軽に参加できる」と菅野さん。新型コロナウイルス感染拡大を受けて浸透した「3密」(密閉、密集、密接)回避のリモート料理教室が、新しい形の被災地支援につながろうとしている。
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