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Tuesday, April 12, 2022

休職者数、高止まり 被災自治体の職員、応援者減り心の負担重く - 毎日新聞 - 毎日新聞

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東日本大震災で被災した自治体の休職者数と応援職員数の推移 拡大
東日本大震災で被災した自治体の休職者数と応援職員数の推移

 東日本大震災により被災した市町村で、心の病を抱えて休職する自治体職員の数が高止まりしている。ピークの2019年度は震災前の2倍近くに達し、その後もほぼ横ばいで推移。復興事業が一段落し、他地域から派遣されていた応援職員が帰任する中で負担が増している形で、メンタルケアの充実が求められている。【深津誠】

 毎日新聞がこのほど、津波と東京電力福島第1原発事故で被災した岩手、宮城、福島3県の42市町村を対象に、精神的な理由による休職者数の推移についてアンケートを実施し、資料が散逸するなどした4自治体を除く38市町村の回答をまとめた。

 それによると、10年度の休職者数は計100人。その後、増加傾向をたどり、ピークの19年度は193人に。20年度は182人、21年度も187人で、ほとんど減っていない状況が浮かんだ。市町村別では、仙台市62人、福島県いわき市20人、宮城県石巻市11人の順に多かった。

 精神疾患による自治体職員の休職は全国で課題となっており、総務省も21年度から大規模調査に乗り出した。一般社団法人「地方公務員安全衛生推進協会」(東京)が1990年代から実施する抽出調査によると、20年度の精神的な理由による全国の長期病休者は職員10万人当たり1713人で、10年度と比べ約1・5倍に増えた。

 調査の対象や手法が異なるものの、毎日新聞が今回取材した被災3県のこの間の増加率は約1・8倍で、全国平均を上回っている。

 岩手県大槌町では、21年度に職員145人のうち9人(約6%)が心の不調により休職した。10年度はゼロだったが、14年度は10人になり、その後も年間6~9人が休んでいる。町の担当者は「面談やストレスチェックにより原因の把握に努めているが難しい。一時的に復帰してもまた休職するケースが多い」と話す。

 宮城県山元町では21年度、直近10年で最多となる5人が休職した。町の職員数約180人に対し、一時100人以上派遣されていた応援職員が20人以下に減り、「ベテランの応援職員が引き揚げた後、残った職員の1人当たりの負担が重くなった」(担当者)ことも休職増加の一因になっているとみられる。

 被災自治体への応援職員は17年度、2436人に上ったが、21年度は863人まで減少。原発事故で自治体ごと避難するなどした福島県には500人近い応援職員が残っている一方、道路や宅地整備などがほぼ完了した岩手、宮城両県では、近く応援職員がゼロになる見込みだ。

 被災者のメンタルケアを行ってきた「みやぎ心のケアセンター」(仙台市)の福地成センター長(精神科医)は「応援職員の減少により、プロパー職員は10年たってもひと息つく状況にないのではないか。メンタル専門の産業医がカウンセリングを行うなど、ケア体制の整備が求められる」と指摘している。

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