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Tuesday, April 5, 2022

濱口竜介監督14作品、仙台で上映 被災者に焦点「東北三部作」も - 河北新報オンライン

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民話の「語り聞き」などを記録した「うたうひと」の一場面(©silent voice)

 映画「ドライブ・マイ・カー」で、米アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督の作品14本の特集上映が8日、仙台市青葉区のフォーラム仙台で始まる。東日本大震災後、仙台に滞在して撮影し、被災者らに焦点を当てたドキュメンタリー「東北記録映画三部作」(2011~13年)など東北ゆかりの作品も多く上映される。

「ドライブ・マイ・カー」米アカデミー賞で

 「監督の仕事ぶりはものすごく緻密で、それが作品の濃密さにつながっている。どの作品も出演者としっかり向き合って作られており、ユーモアもある」

 濱口作品の魅力を語るのは、仙台短編映画祭実行委員の菅原睦子さん(63)=青葉区=。同映画祭で05年、濱口監督の初期作品「はじまり」を上映して以来、親交が続く。

 今回の特集に当たり、菅原さんは濱口監督に頼み、チラシに載せるメッセージを寄せてもらった。監督は「震災以降、仙台を拠点としてドキュメンタリーを制作していた自分にとって、『こんなことをやってきたんです』という報告のような、特別な意味を持っています」と応えている。

 東北記録映画三部作は、酒井耕さんとの共同監督作品。3作目の「うたうひと」(13年、2時間)は、みやぎ民話の会顧問の小野和子さん(88)=同=が、語り手から民話を聞く様子などを捉えた。小野さんは1970年から宮城県を中心に東北の民話を採取。伝承活動を続けてきた。

 震災をテーマにした前2作の「なみのおと」(2011年、2時間22分)、「なみのこえ」(13年、「気仙沼」が1時間49分・「新地町」が1時間43分)とは趣が異なるが、小野さんの活動に同行した監督が「ぜひ撮影させてほしい」と頼み込み、実現したという。

 「最初はびっくりして断ったが、作品で『語り聞く』という人間の根源的な営みに触れ、私も聞くということの意味に開眼させられた。誰にでもできることではない」と小野さん。「ドライブ・マイ・カー」も登場人物の車内での会話が重要になっており、「『うたうひと』からくみ取ったものが生かされているのかもしれない」と推察する。

 特集上映は28日まで。一部の長編映画は分割し、1日に2~4本を上映する。料金は1本1000円から。詳しい上映時間などは劇場ホームページで確認できる。連絡先はフォーラム仙台022(728)7866。

仙台でもロケがあった「偶然と想像」の一場面(©2021 NEOPA/Fictive)

[「東北記録映画三部作」以外の上映作品]
「何食わぬ顔(long version)」(2002年、1時間38分)▷「PASSION」(08年、1時間55分)▷「永遠に君を愛す」(09年、58分)▷「THE DEPTHS」(10年、2時間1分)▷「親密さ」(12年、4時間15分)▷「不気味なものの肌に触れる」(13年、54分)▷「ハッピーアワー」(15年、5時間17分)▷「天国はまだ遠い」(16年、38分)▷「寝ても覚めても」(18年、1時間58分)▷「偶然と想像」(21年、2時間1分)

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