大村久
梅雨や台風シーズンの到来を前に、佐賀県警鳥栖署や消防などが合同で災害救助訓練をした。約30人と災害救助犬1頭が参加し、大雨により土砂災害が発生したという想定のもと、ドローンも活用して捜索や救助の訓練に取り組んだ。
場所は、昨夏の大雨で土砂崩れが発生し復旧工事中のみやき町簑原の現場近く。訓練開始に先立って鳥栖署の樋口勝馬署長が「毎年のように大雨特別警報が出ている。災害発生時に迅速、的確に対処することが重要。訓練で備えてほしい」とあいさつした。
訓練はまず、県警と民間会社のドローンを活用して、上空から被災者がいないか捜索。地面に横たわり手を振っている被災者役を見つけると、警察官や救急隊員が現場に駆けつけ、「大丈夫ですか」などと声をかけながら救助した。
土砂崩れに巻き込まれた車らしきものが見つかった現場では、災害救助犬のサム・フォム・ネーベルドルフ(シェパード・雄5歳)が捜索に参加した。サムは人のにおいを嗅ぎわけたのか、車に向かって走り出し、「ウォン」と力強くほえて車内に人がいることを指導手に知らせた。
警察官や消防隊員らは、車を覆っている倒木をチェーンソーで切ったり、土砂を想定した毛布を除去したりして車内を確認。要救助者役の消防隊員1人とマネキン1体を車内から救助して救急車に搬送した。
サムは、これまでに行方不明者の捜索などに約40回出動し、行方不明となっていた70代の女性を発見した実績もあるという。警察嘱託犬指導手の河野忠敏さん(64)は「大勢の人がいる中での訓練ができるなど、非常に有意義な訓練だった」とふり返った。
今回の訓練は災害発生時の捜索や救助での連携を確認するために行われた。鳥栖・三養基地区西消防署の田中清雅署長は「貴重な経験を積めた。これからの時期、災害発生時には訓練の成果を生かしてほしい」と講評した。(大村久)
からの記事と詳細 ( 災害に備え救助訓練 ドローンや警察犬も活用し被災者捜索 - 朝日新聞デジタル )
https://ift.tt/8XjbnIB
No comments:
Post a Comment