熱海市は二十九日、伊豆山(いずさん)の土石流災害からの復興まちづくりに向けたワークショップを市役所で開いた。九月までに計五回開催する。被災者らの意見を集約し、復興計画の一つで被災地の土地利用などの方向性を示す復興まちづくり計画として反映させる方針。(山中正義)
立ち入りが原則禁止される警戒区域に住んでいた被災者や、被災三地区の住民が対象。参加者を公募し、二十八人が応募した。
初回のこの日、応急仮設住宅などに住む避難者十四人を含む二十五人が出席した。班ごとに分かれ、復興計画や今後話し合いたいテーマについて意見を交わした。参加者からは「若い人に定住してもらえるまちづくり」や「(伊豆山に)戻る人のための資金的な援助」を求める意見などが上がった。
被災者の高橋一美さん(45)は「こういう伊豆山にしたい、これなら戻りたいという気持ちを話せるようなワークショップにしたい」と語った。
ワークショップは今後、月に一度開催する。話し合った内容は「かわら版」としてまとめ、避難者や地域住民とも共有する。
◆市が宅地再分譲案 住民説明会 用地買収、造成後に
熱海市は二十七日夜、昨年七月の土石流災害で被災した伊豆山(いずさん)地区内で、復興まちづくりの手法や道路計画に関する住民説明会を開いた。市は「小規模住宅地区改良事業」という手法を提案、市が用地買収して宅地などを造成した後、再分譲する考えを示した。
提案した手法は、大きな災害の被害を受けた地域で採用された実績が多く、市は「被災者の意向に沿うことが可能」と説明した。
現在、立ち入りが原則禁止されている警戒区域内で、全半壊した建物があるエリアを事業区域に設定。この手法を使い、市が用地を買収などして事業を進め、帰還を望まない住人の土地には集会施設や公園などを整備することもできる。
二〇二二度末から用地の説明や買収を始め、二三年度末から造成工事に着手。二五年度半ばから分譲や住宅再建へ移る構想という。
被災地区の道路計画では、逢初川(あいぞめがわ)沿いに幅四メートルの一方通行の道路を整備する計画などを説明。今年六月以降に用地交渉を始め、夏以降に可能な場所から工事に着手する工程を明らかにした。
警戒区域の解除を巡っては、稲田達樹副市長は「七月をめどに解除に向けたスケジュールを策定し、八月上旬には示したい」と述べた。(山中正義)
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