「旦過市場さま復興Tシャツ、応援Tシャツご用意しております」
JR小倉駅前の衣料品店、ユニクロ。
店頭に並んでいるのは「旦過市場」のロゴをプリントしたTシャツです。
もともと地元・旦過市場とのコラボ商品として制作されオンライン販売されていましたが、4月の火災を受けて、市場の復興を支援するためにユニクロが店頭での販売を決めました。
◆ユニクロ小倉駅前店 橋本芳明店長
「私たちが服の力を通じて旦過市場さまを応援していきたという思いを持って、Tシャツを着て旦過市場さんを応援することができればよい」
コラボTシャツは、店頭販売が始まって早々から品薄状態が続いていて、再入荷は今週末になる予定です。
復興支援のコラボTシャツで、旦過市場側の中心になっている、ぬかみそ炊き店の宇佐美雄介さん。
当初は販促活動にあてるはずだったコラボTシャツの市場側の収益を、すべて火災からの復興に使うことを決めました。
◆宇佐美商店 宇佐美雄介代表
「寄付とか募金とか直接的な金銭の支援はあると思うが、Tシャツというものが皆さんの手に渡って、それを今SNSでアップしてくれるとか、旦過市場がバズるじゃないですけど、いろんな形でのご支援をいただけると嬉しい」
一方、8日に、焼けてしまった店を訪れていたのは、だご汁店を経営していた徳岡朱美さん(86)です。
店は住まいも兼ねていて、火災が起きたのは徳岡さんが2階の部屋で寝ていたときでした。
瞬く間に火が燃え広がる中、徳岡さんは貴重品を詰めたリュックサックだけを抱えて逃げ出しました。
4月19日―
◆徳岡朱美さん
「隣のラーメン屋さんがドンドン叩いて教えてくれてね、叩き方が異常なのでどうしたのかなと思って」
43店舗が被災した火災からおよそ3週間ー
徳岡さんはボランティアの力を借りて、焼け跡から大切なものを回収することにしました。
多くの人に長年愛されてきた店の営業記録。
そして、大事にしていた孫の写真。
思い出の品が続々と出てきた中で、徳岡さんがひときわ胸を締め付けられたのが…
◆徳岡朱美さん
「うわ~焼けてる、もう…」
徳岡さんの祖母の代、明治時代から大切に受け継いできた「ミシン」です。
◆徳岡朱美さん
「複雑な気持ちですけどありがたいことです。うれしいです。前向きにいかないとね、落ち込んでもしょうがないし、前向きに受け止めます」
何とか見つけることができた大切なミシンはもう使えそうにはありませんが、大きな心の支えです。
徳岡さんは再建への決意を新たにしていました。
◆徳岡朱美さん
「またします、だご汁店!またお店ができましたら、よろしくお願いします」
火災から3週間が経ち、一部を除いて立入規制も解除された旦過市場。
がれきの撤去をはじめ困難な課題はありますが、復興への歩みは一歩一歩、前へと進んでいます。
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