熱海市で大規模な土石流が発生してから1年9か月となる3日、土砂が流れ下った現場近くでは、遺族や被災者が犠牲者を悼んで黙とうをささげました。
おととし7月に熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土石流の被害では、災害関連死を含めて28人が亡くなりました。
発生から1年9か月となる3日、犠牲者の遺族や被災者ら16人が土砂が流れ下った現場近くに集まり、消防に最初の通報があった午前10時半ごろに黙とうをささげました。
最後の行方不明者で、ことし2月に死亡が確認された太田和子さん(当時80)の長男の朋晃さん(57)は「被災された方、亡くなられた方のご冥福をしっかり祈りたいという気持ちで参加しました」と述べました。
その上で、「この土地には思い入れがあるので早く戻りたいですが、ここから見える景色は全然変わっておらず、いつ帰れるのだろうとつくづく思ってしまいます」と話していました。
また、土石流で自宅が全壊する被害を受けた太田かおりさん(57)は「1年9か月がたって時間だけは過ぎていますが、その分の進歩が感じられず、つらいです。住民の不安や早く帰りたいという気持ちに、行政にはちゃんと向き合ってほしい」と話していました。
【熱海市「被災者支援室」始動】
土石流からの復旧・復興を進めようと、熱海市が今年度から新たに設置した部署が3日から業務を始めました。
このうち、長寿介護課に設置された「被災者支援室」では、ことしの夏の終わりまでに予定されている警戒区域の指定解除に向けて、被災者の生活再建の支援にあたることにしています。
3日は新たに配属された5人の職員が、被災者それぞれの被災状況などをパソコンで確認していました。
警戒区域の解除に伴い、市では公営住宅や「みなし仮設」から引っ越しをする際に、1世帯あたり30万円を支給し区域内の自宅に戻る場合には100万円を上乗せすることにしていて、「被災者支援室」ではこうした申請の受け付けなどに対応するということです。
小竹洋介室長は「支援の手続きはすべてこちらの窓口で済むようにしたいと思っている。被災者の声を聞きながら丁寧に説明し、支援させていただきたい」と話していました。
熱海市では、このほか、復興計画の推進や関係機関との調整にあたる「復興調整室」が都市整備課の中に、遺族や被災者などが起こしている裁判に専門的に対応する「土地訟務管理室」がまちづくり課の中にそれぞれ新設されました。
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