一昨年七月に静岡県熱海市伊豆山(いずさん)であった大規模土石流災害は三日、発生から一年十一カ月を迎えた。遺族や被災者ら十数人が被災地に黙とうをささげた後、思いを語った。
熱海市では、大雨の影響で前日から避難指示が出されていた。この日初めて黙とうに訪れた五十代女性は、大雨で土石流が発生した当時を思い出したといい、「あの日の記憶がよみがえって体の震えが止まらなかった。強い雨が降ると、どうしたらいいんだという気持ちになってパニックになる」と明かした。
被災者の太田かおりさん(57)は神奈川県湯河原町で避難生活を続けており、今回の大雨では町からの指示で避難を考えた。土石流発生当時の対応を巡って、熱海市が発出した避難指示の遅れが指摘されており「ちゃんと被害について教えてもらえたら、あの日に逃げられた人もいたんじゃないかと思う。二度とこういうことが起きないよう見直さないといけない」と話していた。(向川原悠吾)
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