「夏祭り」も大事な防災訓練に――。関東大震災から1日で100年。当時被災した企業には防災や助け合いの精神が引き継がれ、意識の啓発につながる活動に地道に取り組んでいる。マンションや都心の高級ホテルなど、多くの人が集まる施設でその心をつなぐ活動に励む人たちの思いを尋ねてみた。
【加藤結花】
8月26日、千葉県習志野市のJR津田沼駅近くの住宅街にある「谷津奏の杜公園」で夏祭りが開かれた。出店やバザーなどでにぎわう夏祭りの企画を住民に提案したのは、三菱地所子会社で周辺に分譲マンションを展開する三菱地所レジデンスの社員らが作る「防災倶楽部」だった。
「いざという時に地域のコミュニティーを強化しておくことが重要。夏祭りはそのきっかけとしてうってつけだ」。2014年に社員有志が集う防災倶楽部を発足させ、メンバーと一緒に祭りの開催を働きかけてきた三菱地所の岡崎新太郎さん(48)は、こう力説する。祭りの運営を通して住民同士が顔見知りになり、その特技や人となりの情報を共有できることが災害時の協力体制につながるという。あるマンションでは、エレベーターが使えなくなった時、電機メーカーの技術者である住人に対応を相談。応急的に簡易昇降機を製作してもらったことがあったという。また、祭りで屋台を出すことは災害時の炊き出しとも手順が似ており、楽しみながら災害時の「予行演習」にもなっているという。
被災で防災を重視する社風に
三菱地所の災害対策の歴史は古い。1923年に発生した関東大震災直後から、東京・丸の内で旧丸ビルを拠点に…
からの記事と詳細 ( 「忙しいからやらない『防災』はない」 被災企業に受け継がれる精神 - 毎日新聞 )
https://ift.tt/DlneBiR
No comments:
Post a Comment