カイロ=武石英史郎
モロッコ中部を襲ったマグニチュード6・8の地震から2日目を迎えた10日、被災地では、被害が大きいとみられる山間部での救助活動が焦点になっている。
地震は8日午後11時(日本時間9日午前7時)すぎに発生。9日午後10時(同10日午前6時)の時点で2012人の死亡が確認された。世界保健機関(WHO)は今回の地震による被災者の数を30万人以上と推定。生存者への水や食料、避難所の確保も急務となっている。
米地質調査所などによると、震源は観光都市マラケシュの約70キロ南方の山岳地帯。内務省の発表では、マラケシュなどの都市部より、南方の山間部の死者が多くなっている。
中東の衛星テレビ、アルジャジーラは10日、震源近くの村を上空から撮った映像を放送した。土壁の家々の半数以上が倒壊し、兵士や村人が手作業で救助活動を行っているのが見える。一帯では山々を縫うように曲がりくねった道路が通っていたが、土砂崩れや落石で寸断され、現地に到達するのが困難になっているという。
モロッコ政府は発生直後から、空軍や陸軍を動員して、こうした地域での救助活動を試みている。被災者の救命率が下がる発生後72時間が11日夜に迫る中、国際赤十字・赤新月社連盟は9日「今後24時間から48時間が救命のために死活的に重要だ」と声明で指摘した。(カイロ=武石英史郎)
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