7年前に転落事故に遭い、余命数カ月と宣告された兵庫県宍粟市の男性が、懸命のリハビリを経て現在、妻と二人三脚でドローンの国家資格取得に挑んでいる。合格後は県の協力者として、災害時や防災訓練でドローンを操縦する予定で、男性は「資格を取得して地域の役に立ちたい」と意気込んでいる。(真鍋 愛)
同市の大上博敏さん(65)。2016年5月の夜、自宅近くの畑で育てていた野菜の様子を見に行った際、誤って約2メートル下の別の畑に転落した。一命は取り留めたものの、首の頸椎(けいつい)を骨折し、医師からは「寝たきりになる可能性がある。余命は3~6カ月」と告げられた。
「最初の1カ月は絶望していた」という大上さん。しかし、家族らから励まされながらリハビリを始め、徐々に回復。下半身や上半身の一部にまひが残ったが、車椅子で日常生活を送れるまでになった。
ドローンを始めたのは、佐用町豊福の「JUAVAC(ジュアバック)ドローンエキスパートアカデミー兵庫校」の看板を見たのがきっかけ。右手は中指、薬指、小指がうまく動かないが、試しに同校の講師とドローンを飛ばすと、難なく操作できた。
「これなら、けがで行けなくなった場所の景色がまた見られる」。希望を感じた大上さんは昨年、妻の貴子さん(61)と同校に通い、2人そろって民間の操縦資格を取得。災害時にもドローンを活用しようと、「ドローン減災士」の資格も取った。
より活動の幅を広げられるようにするため、今月上旬から貴子さんとともに国家資格にも挑戦。同校で座学と実技の講習を受け、実地試験に合格した。現在は学科試験の受験を申請中で、合格すれば晴れて国家資格取得者となる。
今回の受験にあたっては、西播磨県民局の補助制度を活用。合格後には県の要請に応じて、災害時などにドローンを操縦することが条件になっている。
大上さんは「ドローンであれば僕でも災害時に協力できる。被災規模や二次災害発生の可能性を上空から探り、被災者の役に立ちたい」と力を込める。
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