1964年6月16日の新潟地震から60年になるのを前に、新潟地震で被災した4人が当時の経験を伝える座談会が8日、新潟市中央区の市歴史博物館「みなとぴあ」で開かれ、市民ら約30人が体験談に耳を傾けた。
登壇したのは、当時中学生だった渋川綾子さん(72)と田代雅春さん(74)、本井晴信さん(73)、市立桃山小学校の教師だった鍋谷総子さん(87)。
学校でコーヒー牛乳を飲んでいたときに地震に遭ったという渋川さんは「(発生後)地盤がしっかりしている松林に全生徒が避難した。松林からは海が見え、同級生は『海の水が引いた』『津波が来る』と泣いていた」と当時の様子を伝えた。
市立関屋中2年だった本井さんは、地震後に発生した石油タンク火災について「黒い煙の間から、炎がピカッと音もなく光るのが不気味だった」「爆発したときのダーンという爆音は忘れられない」と語った。
田代さんは津波が校舎に押し寄せてきたときの様子や自宅の被災経験を語り、鍋谷さんは教師として全校生徒を守り抜いた経験を語った。
小学4年生の時に新潟地震を経験したという東京都多摩市の無職森田祐子さん(69)は「地震の記憶が断片的で、あのとき何が起きたのかを知りたかったので、聞けてよかった」と話した。
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