感染拡大、県内復興の壁に 連係支援団体がボランティア自粛要請 - 信濃毎日新聞

　災害時に行政や社会福祉協議会、ＮＰＯ法人などの連携を支援する県災害時支援ネットワーク（長野市）が台風１９号被災地でボランティア活動に関わる市内外の団体に、９〜２２日の活動自粛を要請した。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためだが復興の歩みに遅れが出そうで、関係者が複雑な思いで受け止めている。

　政府が特措法に基づく緊急事態宣言を出したことや、県が９〜２２日を「感染対策強化期間」と位置付けたことを受け、感染しやすくなるとされる「３密」（密閉、密集、密接）を防ぐ狙い。不特定多数が集まる集会を基本的に実施しないことも求めた。

　宣言の対象となった７都府県からのボランティア活動の中止も求めた。多くの感染者が出ている地域との往来を防ぐ狙いで、宣言の効力が続く５月６日までとした。

　ただ、急を要する支援を求める被災者もいる。事務局の県ＮＰＯセンター（長野市）は被災者への配食サービスや、所有者に代わって市が被災家屋を解体・撤去する「公費解体」に向けた家財の運び出しなどを念頭に、活動自粛期間中でも関係機関が協議して対応していくとする。

　市民有志らの「ＨｏｐｅＡｐｐｌｅ（ホープアップル）」（旧穂保被災者支援チーム）は感染拡大を受け、長野市長沼地区で被災者が集まるサロンを２月下旬から休止し、炊き出しなども自粛してきた。代表の太田秋夫さん（６８）＝長野市西三才＝は活動自粛要請について「感染予防は大切で、仕方ない」と示しつつ「復興にまたブレーキがかかる。（活動が停滞する中で）何ができるか考えなくてはならない」とした。

　一方、同市豊野町豊野の被災者交流拠点「まちの縁側ぬくぬく亭」は社会福祉法人「賛育会」（東京）が運営に携わり、職員が常駐。検温や消毒、換気を徹底してボランティアらが被災者の相談に応じている。感染拡大で訪れる住民は少なくなっているが、活動を続ける方針だ。

（4月10日）

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April 10, 2020 at 06:31AM
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