
福島、宮城両県で最大震度6強を観測した地震の発生から、20日で1週間がたった。住宅被害の大きかった福島県の相馬市と新地町では、修理に取りかかる家が出始めたものの、業者には依頼が殺到し、応急処置にとどまるケースが目立つ。自宅が損壊した被災者は、余震や荒天におびえながら暮らしている。
「家の中の壁が崩れてくるかもしれず、余震のたびにびくっとする。夜もおちおち眠れない」。新地町の男性(75)宅は、屋根瓦の一部が壊れ、家の中の壁もはがれ落ちた。すぐに瓦の工事業者と工務店に修理を依頼し、屋根だけは雨漏りを防ぐ応急処置を施してもらったが、本格的な修理時期は決まらず、男性は不安を募らせる。
相馬市の男性(73)も、市内の業者に修理を依頼したが、返事は「いつになるかわからない」。2階の屋根瓦が落下し、1階の屋根も破損。仕方なく、知人に頼んでブルーシートをかぶせた。男性は「職人も手が足りないだろうから、順番待ちは仕方ない」としつつ、「応急処置した部分がはがれないか心配だ」とこぼした。
同市内のある工務店では、被災家屋の修理依頼が1週間で50件を超えた。うち20件は応急処置で対応したが、本格的な修理は後回しという。40件近い依頼を受けているという宮城県の業者は、「とりあえずは雨漏り対策が優先。本格的な修理が終わるのは1年先になるかもしれない」と話した。
被害の全容も、まだ明らかになっていない。福島県によると、20日午後2時現在、各市町村から報告のあった住宅被害は2810棟。ただ、相馬市からの報告はまだなく、市担当者は取材に「被害の範囲が広く、把握しきれていない」と説明する。1300棟の被害を報告している新地町も「概数にすぎない」としており、被害棟数はさらに増える可能性が高い。
県災害対策課は「傷んだ家に住み続けている人もいる。ボランティアの力を借りたいが、コロナ禍で人手を集めるのも難しい。まずは、被害状況の正確な把握を急ぎたい」としている。
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