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Wednesday, June 16, 2021

ハザードマップ? 警戒レベル? 台風被災者7割、内容理解せず - 毎日新聞 - 毎日新聞

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台風19号の影響で浸水した栃木県足利市の道路=2019年10月13日午前8時20分、本社ヘリから 拡大
台風19号の影響で浸水した栃木県足利市の道路=2019年10月13日午前8時20分、本社ヘリから

 栃木市は、2019年の台風19号災害時の避難行動について被災者に尋ねたアンケート結果を公表した。被害予測を地図にした「ハザードマップ」や災害発生の切迫度を示した「警戒レベル」について、いずれも回答者の7割が内容を理解しておらず、実際の行動でも3割が浸水などの災害発生後に避難していた実態が浮かんだ。【太田穣】

栃木市がアンケート

 アンケートは、水害への対応を検証するため、20年2~3月、床下浸水以上の被害を受けた7952世帯から無作為抽出した1200世帯を対象に実施。672世帯から回答があった。

 ハザードマップについては、内容を含め「分かる」と答えたのは21・6%にとどまり、「知らない」「分からない」が75・4%を占めた。市は19年5~6月、市内8会場でハザードマップの説明会を開いたが、参加していたのは回答者のわずか1%。78・3%は説明会が開かれていることさえ知らなかった。

 また、国が19年5月から運用を始めた5段階の「警戒レベル」について、内容を含め理解していたのは27・5%。言葉は知っていても内容は分からないとの回答が50%で、「知らない」を加えると71%だった。

栃木県栃木市 拡大
栃木県栃木市

 一方、災害時に市が発令した避難指示などの避難情報と警戒レベルについては74・4%が知っていたが、70代68%、80代49・5%と高齢者の認知率が低かった。発令情報の入手先は、(1)緊急速報メール(2)テレビ(データ放送含む)(3)屋外スピーカー――の順だった。発令を知った後の行動では、テレビやインターネットでの情報確認が多く、避難準備を始めた人は1割程度にとどまった。

 災害時に実際に避難したのは18・9%。74・7%は、自宅2階に避難できるや避難する方が危険といった判断のほか、動かせない家族がいるなどの理由で、見送っていた。避難のタイミングは、自宅への浸水や土砂流入後が27・6%、災害発生を知らせる警戒レベル5の発令後が8・7%で、計36・3%が災害の危険性が差し迫ってから避難行動を取っていた。自治体が避難指示を出す目安となるレベル4の発令後が26・8%、レベル3の「避難準備・高齢者等避難開始」発令後が14・2%だった。

 市はこの結果から、適切な避難行動のために必要なハザードマップや警戒レベルへの理解度の低さ、避難行動のタイミングの遅れなどを課題として整理し、検証報告に盛り込んだ。広報紙やホームページ、出前講座などで周知を図る。また、避難所の場所の見直しや要員の増員、被災者の生活再建の支援システムの構築などを進めており、改訂作業中の地域防災計画に反映させる。

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