
広範囲で浸水や土砂崩れの被害に見舞われた佐賀県内では17日も断続的に雨が降り、被災地の片付け作業を妨げた。11日の降り始めから18日で1週間。長雨の中、避難生活を続ける人たちからは「いつになったら帰れるのか」との声が漏れた。
17日午前に激しい雨が降った唐津市中心部では道路が一時冠水し、車が通るたびに雨水が歩道に押し寄せた。JAからつ唐津中央支所(同市栄町)の職員伊藤沙智さんは「実家にいる子どもたちが心配」と川のようになった道路を見つめた。
14日に裏山で土砂崩れが発生した西九州大神埼キャンパス(神埼市)。調理実習室は一面、流れ込んだ土砂に覆われていた。夏休み期間中で「人がいなくて良かった」と上野恒信事務局次長。電気はつかず、室外機が壊れてエアコンも使えない。上野さんは「どれくらい復旧費用はかかるのだろう」と不安げに話した。
浸水した武雄市橘町の橘郵便局。局員たちは片付けに取り掛かったが、「雨がやまないと物を外に出せず、作業を次に進められない」と野田謙一郎局長(54)。2年前の記録的大雨でも浸水し、営業再開まで約1カ月を要した。「またかという感じ。今回は雨が長引いており、時間がかかりそう」
2年前の大雨を機に設立され、被災者支援や防災啓発活動に取り組んできた同市北方町志久の一般社団法人「おもやい」も事務所が床上浸水。片付けが続く中、住民からの援助要請も相次ぐ。鈴木隆太代表理事(45)は「自分たちも被災し、何から手を付けていいか分からないくらい戸惑っている。体がいくつあっても足りないが、とにかく前に進むだけ」と語った。
県によると、17日午後2時時点で19市町の247世帯457人が避難所に身を寄せた。武雄市武雄町の市文化会館に避難する80代女性は昼すぎ、雨空を見上げては帰宅のタイミングを探っていた。自宅は床下浸水。「仏壇が心配だが、何かあってからでは遅い」。広間のテレビ画面で天気予報を確認し、諦めた様子で部屋に戻った。
地滑りの危険性があるとして、避難要請が出た嬉野市塩田町大草野の南下地区に住む男性(68)は近くの公民館に避難。自宅周辺の道路や家屋には地滑りの兆候とみられる複数のひび割れがあり、「いつ山が崩れてもおかしくない。これから先の生活はどうなるのか」と気をもんだ。
排水機場や下水マンホールのポンプが停止し、一部地域で浸水被害が広がった鳥栖市南部。同市幸津町の40代女性は16日夜から避難所生活を続ける。17日午前に避難していたのは女性の家族だけだったが、「大げさだと言っている場合ではない。何事もなければそれでいい。ただただ、とにかく早く雨がやんでほしい」と願った。 (取材班)
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