三井新
【宮城】東日本大震災後に建築家の伊東豊雄さんの提案で建てられた集会施設「みんなの家」について語り合うシンポジウムが23日、仙台市青葉区であった。伊東さんは「新しい建築の形をひらくかもしれないという気持ちで提案した。みんなの家が、新しい公共の端緒を形成しつつあるのは素晴らしい」と話した。
みんなの家は2011年10月、宮城野区に初めて建てられた。その後、東北各地には計16棟が造られ、うち2棟は解体されたが、多くが今も利用されている。
建築家たちは、それぞれにみんなの家への思いを語った。
岩手県釜石市に建てた山本理顕さんは「みんなの家は『活動』だと思う。さらに広げていくのが、建築家たちの役割ではないか」。宮城県東松島市などの3棟に携わった妹島和世さんは「みんなが当事者だと思えるのがすごく重要。使う人が色んな風に発展していける方が創造的だ」と話した。
震災当時、仙台市長だった奥山恵美子さんも参加し、「災害時の行政は決まりきったことしかできない。みんなの家は、一人ひとりの人生の断片をすくいあげる」と述べた。
伊東さんは最後に「災害の時には一つになれる。11年経って平常状態に戻った時に、みんなの気持ちが一つになれるだろうか」と、聴衆に問いかけた。
シンポジウムは、宮城野区や福島県相馬市、熊本県内各地のみんなの家などともオンラインで結んで開催された。
会場には、市民ら約60人が集まった。建築を学ぶ東北工業大学3年、小川珠潮さん(21)=宮城県名取市=は「これからは、奇抜なデザインだけではなく、心のよりどころになる建築について考えていきたい」と話した。(三井新)
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