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Tuesday, June 14, 2022

熊本豪雨の被災地 高齢者の孤立や不安どう解消? 球磨村や人吉市 鍵は住民同士の交流|熊本日日新聞社 - 熊本日日新聞

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 2020年の熊本豪雨で大きな被害を受けた熊本県人吉市や球磨村では、生活再建のめどが立って仮設団地を退去する人が相次ぐ一方、仮設暮らしの長期化が見込まれる人もいる。豪雨から、7月4日で2年。被災地では、高齢者らの孤立防止と将来不安の解消が課題になりつつある。

 「花がきれいですね」。5月中旬、球磨村地域支え合いセンターが村総合運動公園の仮設団地で開いた交流会。村外に自宅を再建した人も含め、8人がプランターの花を植え替えて気持ちを和ませた。「仮設で知り合った人が退去していく。話し相手がなくて寂しい」と話す1人暮らしの宮﨑スエコさん(83)は、交流会が楽しみという。

 球磨村民が入居する仮設団地4カ所の入居者は、ピーク時の計265世帯(20年12月末)から計171世帯(5月末)に減少。人吉市民が生活している仮設団地13カ所も、計345世帯(20年12月末)から計259世帯(4月末)に減っている。

 球磨村や人吉市の地域支え合いセンターによると、仮設団地を退去できない理由はリフォームの遅れや災害公営住宅(復興住宅)の完成待ちなど。経済的に再建が困難な人もいる。人吉市城本町の仮設団地で復興住宅への入居を希望している黄檗[きわだ]ヒサエさん(80)は「年金暮らしなので仮設を退去した後の生活が不安」と打ち明ける。

 アパートなどのみなし仮設住宅に入居する人の見守りも課題だ。人吉市下林町の井口幸子さん(79)は昨年11月の自宅再建まで、子どものいる熊本市でみなし仮設に入居。「近所に同じ境遇の豪雨被災者がいなかったため、寂しかった」と振り返る。

 球磨村と人吉市の地域支え合いセンターは多い入居者で週1、2回、少ない入居者で月1回、仮設団地の各戸を訪問。球磨村のセンターは交流会を、人吉市のセンターは相談会と「オープンカフェ」をそれぞれ月1回開いている。今後は外に出たがらない人にさらに声かけをしたり、新型コロナウイルス禍の状況をみてイベントを増やしたりして孤立防止や不安解消につなげたいとしている。

 人吉市地域支え合いセンターの村口桂子センター長は「交流会などをきっかけに、知り合った入居者の皆さんたちで集い続けてもらうとうれしい」と提案。被災者支援に詳しい熊本学園大の高林秀明教授も「コロナ禍で外部から入るボランティアが少ない中、被災者かどうかを問わず住民同士で交流することが求められる」と指摘している。(川野千尋)

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