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Wednesday, July 13, 2022

「勇気もらえる判決」他裁判の被災者評価 東電旧経営陣賠償命令 - 毎日新聞 - 毎日新聞

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東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟の判決後、「責任認める」などと書かれた紙を掲げ喜ぶ原告側関係者=東京都千代田区の東京地裁前で2022年7月13日午後3時47分、西夏生撮影 拡大
東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟の判決後、「責任認める」などと書かれた紙を掲げ喜ぶ原告側関係者=東京都千代田区の東京地裁前で2022年7月13日午後3時47分、西夏生撮影

 東京電力福島第1原発事故を巡り、東電の株主が旧経営陣5人を相手取って東電に賠償するよう求めた株主代表訴訟。13日の東京地裁判決は株主の訴えを全面的に認め、4人に13兆円余を支払うよう命じた。「他の訴訟の原告にも希望の星になる」。国や東電の責任を問い、別の裁判を続けてきた被災者らは前向きに捉えた。【磯貝映奈、尾崎修二】

 「勇気を与えてもらえるような判決だ」。福島県二本松市でコンビニエンスストアを経営する服部浩幸さん(53)は判決を評価した。

 服部さんは原発事故により地元での生業(なりわい)を奪われたなどとして、約3500人が国と東電に損害賠償などを求めた福島訴訟(生業訴訟)の原告団事務局長を務めた。福島訴訟を含め、前橋、千葉、松山の4訴訟について最高裁は6月、国の賠償責任を認めない判決を出している。服部さんは今回の地裁判決について「国の過失が認められなかった最高裁判決の後でも、被害者に寄り添った判決が出る可能性があることに好感を持った」と話した。

 福島訴訟の原告団は最高裁の判断を覆せる余地があるとして、9月にも福島地裁に追加提訴する方針だ。服部さんは「意志を持って訴えれば、理解してくれる人たちもいることが分かった」と前を向いた。

 代理人の馬奈木厳太郎弁護士は「これまで東電は賠償金を払えばいいという考えで、過失の責任を真正面から認めてこなかった。今回の判決では、過失の責任や、常識的に認められるべき社会的責務がきちんと認められた。社会的意義が非常に大きい」と評価した。さらに「原子力損害賠償法では責任論が議論されない中で、取締役の注意義務の怠りを認めたことは大きな一歩。(政府機関が2002年に公表した地震予測の)長期評価の信頼性など(福島訴訟と)共通している論点も多いので、国の責任の見直しにもつながる」との見解を示した。

 前橋訴訟の原告団の一人だった、いわき市から前橋市に自主避難している丹治杉江さん(65)は「被災者の救済や原発事故の起こらない社会につながってほしいと思い裁判に参加し続けてきた。今回の判決は他の訴訟の原告にも希望の星になるのではないか」と話した。

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