パルシステムは、2011年から続けている、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所の事故による被害者を応援する活動の一環で組合員に呼びかけている「東京電力福島第一原子力発電所事故被災者応援金」が、2022年度は1040万8600円が活用されることを公表した。
保養先の猪苗代湖から風力発電所を見学(写真提供:FoE Japan)
2021年4月1日~2022年3月31日までに受け付けた組合員からの募金は、1046万7048円となり、2022年度は、これに加えパルシステム共済連からの寄付金などを合算し活用する。配分先は、パルシステムグループから推薦された17団体へ合計1040万8600円を助成した。配分金は、各団体で実施される被災者や避難者を対象とした保養活動や支援活動(甲状腺検診や、講演会等の原発事故を風化させないための活動など)に活用される。
配分先となった団体の認定特定非営利活動法人FoE Japanでは、コロナ禍の間も人数を制限しながら保養活動「福島ぽかぽかプロジェクト」を開催。開始した2013年当時、4歳だった子は小学5年生になった。配分金は、保養活動や参加者へのPCR検査、被ばくの影響や健康不安を共有できる場づくりにかかる施設維持費や光熱費など諸費用に活用される。
また、「福島子ども・こらっせ神奈川」は、これまでの福島の子どもたちとの相互交流に加え、原発事故の経験を次世代へ語り継ぐため、大学生を対象とした「福島応援・スタディツアー」を開始。下見を兼ねた3月の初回開催では、津波被害の大きかった福島県楢葉町の前原・山田浜地区の見学や、各地での放射線量調査などを行った。配分金は、スタディツアーの宿泊費や福島の子ども・若者をテーマにした講演会の開催などに活用される。
福島応援・スタディツアーのようす(写真提供:福島子ども・こらっせ神奈川)
配分先団体と助成対象は以下のとおり。
■認定特定非営利活動法人いわき放射能市民測定室たらちね
出張甲状腺検診の準備費用。子どもや子育て中の親の心のケアに専門家と連携して取り組む施設の広報費。
■認定特定非営利活動法人FoE Japan
保養の野外活動費用やPCR検査費用、被ばく影響や健康不安を共有する場づくりの施設維持費や光熱費など諸費用。
■認定特定非営利活動法人 沖縄・球美の里
沖縄久米島での学童保養や母子保養、ファミリー保養に伴う諸経費。ブログやニュースレターでの実施報告や保養の必要性の広報費。
■特定非営利活動法人新宿代々木市民測定所
放射能測定業務に関わる検体代金や運賃などの経費。子どもたちや保護者を放射線被ばくから守るための測定結果の広報費。
■認定特定非営利活動法人Dialogue for People
被災地問題を我が事として捉え直すきっかけづくりの福島県内での取材やメディア発信の諸費用。オンライン「スタディツアー」の映像アーカイブ化やレポート記事公開の費用。
■特定非営利活動法人ハートフルハート未来を育む会
福島県内在住の子どもや保護者対象の親子遊び・親ミーティングへの心理士・保育士派遣費。支援者スキルアップのための勉強会講師謝礼、健康相談会への心理士派遣費。
■特定非営利活動法人 ふよう土2100
郡山市内の支援学校や支援学級に通う子どもたちとその家族を対象の通所施設の環境整備費。野外体験時の活動費、貧困家庭の子どもたちへの食事支援費。
■福島の子どもたちとともに・西湘の会
過去の保養参加者でその後も交流を続ける、特に避難者の子どもたちや保護者を対象とした、甲状腺検診時の医療費や宿泊費などの補助。
■福島の親子とともに・平塚
長期休暇中の保養受入や自主保養への補助金、被ばく関連の講演会経費、神奈川県内の避難家族への生活費補助、福島原発事故かながわ訴訟団の会費。
■福島子ども・こらっせ神奈川
神奈川県内大学生対象の「福島応援・スタディツアー」宿泊費や福島の子ども・若者をテーマにした講演会講師謝金、広報費。
■震災ストレス研究会
震災および原発事故被災でストレスを受けた人々が体験を語るシンポジウムの講師謝礼や広報・記録の費用。
■東日本大震災復興支援松戸・東北交流プロジェクト
福島県内外避難者を対象とした震災伝承施設視察ツアーバス代費用、サロン運営の広報物、事務局用のPC購入費、避難者同士の交流会やコンサート開催などの費用。
■一般社団法人ふうあいねっと
福島県から茨城県内への避難者の孤立防止に取り組む当事者グループとの連携やその他支援、過去実施した被災経験を持つ子ども・学生の夢実現支援事業フォローアップの運営費。
■みんなのおうち公園 保養の家
福島県相馬市のNPO法人と連携して開催する、子どもたちへの寄贈書収納用文庫の壁画アートイベント作業や資材などの諸費用。
■特定非営利活動法人Annakaひだまりマルシェ
3.11事業として取り組む「小児甲状腺エコー検査」に関するチラシ製作や広報費。備品等の購入、検査会場費や検査技師の人件費などの諸費用。
■ECO village SHELTER project
森での自然体験を通じたリフレッシュが目的の保養キャンプ開催、保養目的の森の野営利用受入れ時の食材や備品の費用、企画運営費など。
■TEAM毎週末みんなで山形
豊かな自然の中で心身のリフレッシュを図るため、短期で実施する小規模保養の宿泊交通費など。
からの記事と詳細 ( 原発事故被災者応援金 22年度は1040万8600円を17団体へ パルシステム - 農業協同組合新聞 )
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