静岡県内に甚大な被害をもたらした台風15号による記録的豪雨から23日で半年。いまだに公営住宅などでの仮住まいを余儀なくされている人が32世帯83人に上ることが、県のまとめでわかった。静岡市を中心に568棟の住宅で応急修理が完了しておらず、被災者への影響が長期化している。
県内では台風15号の接近で、昨年9月23日夜~24日にかけて線状降水帯が発生し、12時間の降雨量は、静岡市で404・5ミリとなるなど七つの地点で観測史上最多となった。3人が死亡し、6人がけがをした。
県によると、床上浸水の被害は5647棟、床下浸水は4035棟、全壊や半壊、一部損壊は5652棟に上っている。災害救助法に基づく住宅支援では、今月20日時点で応急修理の申請が1322件あったが、完了しているのは754件と約6割にとどまっているという。(黒田壮吉)
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昨年9月の台風15号の大雨の影響で故障し、一部が使えなくなっていたJR静岡駅北口地下駐車場「エキパ」が全面復旧した。20日から、400台が駐車できるようになった。
静岡市によると、地下4層構造のエキパは、昨年9月の台風15号で冠水した。駐車システムの機材に故障が生じ、営業を停止。10月中旬から動作確認が完了した224台分で営業を再開し、順次、復旧作業を進めていた。
復旧に約半年がかかったことについて、市は「ショートした電線が個別発注のため時間がかかった」としている。市の負担分で400万円がかかったという。(黒田壮吉)
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台風15号による断水被害が約2週間続いた静岡市清水区の清水宍原小学校では、生活用水の備蓄を本格化させている。同小では発災時、教職員が近くの川から水をバケツで運んで、トイレや手洗いに使っていた。
同小によると、水道水の給水が再開された直後から、支援物資として届けられた飲料水のペットボトル2リットル6本入り20ケースを保管することにした。
全校児童15人の小さな学校。断水時には水筒を持参させ、トイレの使用を制限するなど不自由な学校生活が強いられた。西沢伸明教頭は「児童は水の大切さを肌身で感じた。生きた防災教育ができた点で、無駄な日々でなかったと思う」と話した。(中村純)
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