熱海市伊豆山で2021年7月に発生した大規模土石流の復旧復興に関し、市と県が10月から被災地の逢初(あいぞめ)川流域の被災者を対象に行っていた地区別説明会が、14日夜までに全7地区で終了した。膝詰めで個別相談に乗る場を設け、出席者から一定の評価を得た。一方、これまでの行政対応に不信感を抱く一部の被災者が説明会を途中退席するなど、官民の関係に根深い溝も見られた。
地区別説明会は警戒区域解除後の逢初川流域に帰還済み、帰還希望などの120世帯を対象に、河川・市道整備計画や被災者支援策を伝えた。市によると、参加した59世帯74人にアンケートを実施したところ、49人が「満足」または「まあ満足」と回答。出席者は取材に「身近な話ができた」「聞いたことが返ってきた」などと語った。
復旧復興事業は24年度中に県が河川拡幅、市が両岸への市道整備を完了させる計画。ただ、発災から2年5カ月たっても、用地買収は5割程度にとどまる。説明会を途中退席した被災者で、地権者でもある60代男性は「意見要望しても、行政側は聞く耳を持たない」と不満をあらわにし、「具体的な土地交渉もない。このままでは協力する気はない」と語気を強めた。
今回の説明会は過去に大規模説明会を開いた際に意見聴取が不十分だった教訓を踏まえ、地区別とした。全7地区で終了後、斉藤栄市長は報道陣に「非常に有益。前進したと思う」と述べ、被災者の意見要望を復旧復興計画に反映するかどうかについては「必要なところは改善する」とした。市は年明けにも被災地の3町内会向けの説明会を改めて開き、1月下旬には逢初川で河川・市道整備の現場説明会を予定する。
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