東京電力福島第1原発事故の影響を受けた福島の子供たちを短期間受け入れる保養活動が、全国的に縮小している。放射能汚染の影響を懸念する声が残る中、自然の中でリフレッシュする場を提供する保養のニーズは消えていないが、2023年には全国組織が活動を実質的に休止。関係者は「どう続ければいいのか」と苦悩している。
3月29日、残雪に覆われた札幌市南区の農村地帯に福島県の子供たちの歓声が響いていた。
家族5組15人が、5泊6日で北の大地の食や自然を体験。郡山市の小学6年(当時)、柳沼楓さんは「雪遊びがすごく楽しい」と目を輝かせ、福島市から子供2人と参加した大内飛香(あすか)さん(46)も「福島は場所によっては空間線量が高い所もある。気を使わず外遊びできる保養は本当にありがたい」と喜んでいた。
今回の保養には原発事故が起きた11年に生まれた小学6年生が多く訪れた。主催したのは、NPO法人「福島の子どもたちを守る会・北海道」だ。
企業、個人などからの寄付金や全国組織からの支援金を活用し、11年夏以降、24回の開催で延べ886人を受け入れてきた。参加者は滞在期間中、雪遊びやアイヌ文化体験を楽しんでおり、今回も定員の倍の30人の応募があった。
参加した親からは「みんな不安の中で子育てしてきて、今も内部被ばくの検査をしている。保養先でなら本心で話せる」との声も聞かれた。保養は、悩みを抱えた親のよりどころになっている側面もある。
「地元で話しにくい」とこぼす親も
だが、事故から13年がたち、受け入れ団体を取り巻く状況は厳しい。
新型コロナウイルス禍による休止を経て23年に活動を再開した北海道富良野市の「ふらのチャリティウォーク」は24年も実施を予定しているが、運営する吉田うららさん(72)は「これで最後かもしれない」とこぼす。
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からの記事と詳細 ( ニーズはあるのに… 原発被災者の保養活動が縮小する理由とは - 毎日新聞 )
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