内閣府の有識者会議は、災害が起こった際に避難所に入らず自宅で生活する「在宅避難」や、車の中で過ごす「車中泊避難」も含めたすべての避難者への支援を強化しようと、2023年8月から検討を始めました。
会議によりますと、2011年の東日本大震災の際、岩手県で地震発生からおよそ3週間後に自宅で食事などの支援を受けていたのは2万4000人を超えていて、避難所にいる人とほぼ同じ人数でした。
また、過去の災害関連死では、避難所ではなく自宅で死亡した人の割合が高いことが分かっていますが、すべての都道府県にアンケートをしたところ、半数近い22の自治体が在宅避難者を把握する方法について「決まったものはない」と答えたということです。
有識者らは20日、「被災者のカルテを作るといった取り組みが重要」などと指摘し、避難所以外にいる人も含め、被災者に対する聞き取りの統一した様式を作るなど、状況の把握に向けた強化策の方向性を了承しました。
有識者らは統一様式を作る狙いについて、行政機関だけでなく福祉関係者も含めたすべての支援者が使えて避難者の情報を共有しやすくすることだとしています。
また、聞き取りを災害の直後や仮設住宅へ移る時など、様々な段階で行うよう求めています。
内閣府は、最終的な議論の結果を6月をめどに取りまとめる予定で、国としての取り組みの方針は年内にも打ち出したいとしています。
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