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Tuesday, February 18, 2020

【2月19日付社説】空き地バンク/移住で津波被災地の再生を - 福島民友

 東日本大震災の津波で被害を受けたいわき市沿岸部の宅地造成事業で、市は、所有者が売却や賃貸を希望する土地の情報を集約し、ホームページ上で公開する「空き地バンク」事業を始める。4月末の開始をめどに準備を進めている。津波被災地を住宅地として再生するきっかけにしていきたい。

 市によると、被災者の意向に基づき、津波被害があった地区に堤防整備を行い、計838区画の宅地を造成したが、半数近い区画が利用されていない。市の調査では、未利用区画の所有者のうち、3割超は売却などを検討している。

 未利用区画が多いことについて、市は、被災前より狭い敷地で住宅を再建し、残った未利用地を分筆したり、将来的に子や孫が家を建てられるようにと利用しないままとしたりしていることなどが要因と分析している。震災から9年近くが経過し、所有者が当初の意向から変化していることも理由の一つだろう。

 市は被災者や東京電力福島第1原発事故による避難者の住宅需要は一段落したとみて、宅地の買い手にIターンなどの移住希望者を想定している。空き地バンクを通じ、所有者と、同市に移住したい人の双方が納得できるマッチングを増やしていくことが大切だ。

 人口減少による空き地などの増加を受け、空き家を含む空き地バンクを設けている市町村は多いが、登録が数件程度の市町村が目立つ。日大の大沢昌玄教授(都市計画)は「空き地バンクは情報が少ないと利用されない。多くの情報を一元的に見られるようにすることが重要」と指摘する。

 同市は、空き地バンク開始時の登録件数を100件程度にしたいとしている。空き地バンクによる取引が増えれば、所有者が売却などを検討しやすくなる効果も期待できる。市は、空き地の登録数を着実に積み上げていってほしい。

 震災の津波で被災した岩手県陸前高田市は、空き地バンクでかさ上げした被災地の宅地を登録したが、マッチングが進まないため、購入者の固定資産税相当額を商品券として支給する制度を始めた。いわき市は既に購入した人との間で不公平が生じるとして、助成などは設けない方針だが、マッチングの状況によっては助成などを検討する必要があるだろう。

 内閣府の調査によると、東京から地方への移住を検討する人が重視するポイントは物価や住居費などの生活コストや、買い物の利便性、仕事などだ。市には移住者のニーズに即したきめ細かな情報発信を求めたい。

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