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Saturday, July 4, 2020

県内豪雨 被災者救助、支援に全力を | 社説 | コラム - 熊本日日新聞

 梅雨前線の活発化に伴い、県内は南部を中心に4日午前、豪雨に見舞われ、各地で河川の氾濫や土砂崩れなどの甚大な被害が発生した。

 県によると、球磨村の特別養護老人ホームで14人が心肺停止で見つかるなど同日午後10時現在で、死亡・心肺停止18人、行方不明7人に上る。今は何よりも命を守る行動が最優先だ。被災状況の把握を急ぎ、被災者の救助と支援に全力を挙げたい。

 活発化した梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込み一時、線状降水帯が発生。次々と生まれる積乱雲が、短時間に局地的な大雨をもたらしたようだ。2018年の西日本豪雨や17年の九州北部豪雨など、近年の梅雨時の大災害と同様のメカニズムである。

 気象庁は4日午前4時50分、「数十年に一度の大雨が降り、災害発生の可能性が極めて高い」とする「大雨特別警報」を県内で初めて出した。ただ、球磨村の老人ホームの事例などを見ると、夜明け前の警報が対象地域にどれだけ伝わり、早期避難につながったかは疑問が残る。

 被災地では、道路などが寸断し山間部を中心に孤立している地域も少なくない。特に心配なのは、役場や警察、消防など関係行政機関も被災し、通信障害なども起きたことで、被災状況の把握が遅れているとみられることだ。

 今後さらに被災規模が拡大する可能性もある。いまだ被災地には入りにくい状況が続いているが、2次災害にも留意しながら、自衛隊や警察、消防など広域からの支援を急いでもらいたい。

 被災者のケアも喫緊の課題である。避難所では、新型コロナウイルスの感染拡大予防が新たに求められるようになった。今の時季は加えて熱中症対策も不可欠だ。避難の分散化、長期化も予測される中、関係自治体だけでは対応は難しい。国などには、資材提供だけでなく、衛生管理などの運用も含めた支援を求めたい。

 雨は今後も断続的に続くとの予報が出ている。土砂崩れは、雨が降りやんだ後も発生する可能性がある。自宅にとどまっている人も、2階以上の高所や崖から離れた場所での寝泊まりを心掛けてほしい。

 今回、広範囲で氾濫した球磨川を巡っては、蒲島郁夫知事の川辺川ダム計画中止表明(08年)後に検討が始まった治水代替策がまだ定まっていない。現在、引き堤や遊水地など、各種対策を組み合わせた10案が提示されているが、概算事業費は2800億~1兆2千億円、工期は45~200年に上る。流域の首長らからは、実現可能性を疑問視する声も出ていた中での今回の水害だった。

 長期的に高い安全度を求める抜本策の必要性は理解できるが、それが実現するまで長期間、流域住民の不安を放置するわけにはいかない。今後、対応が急がれる危険箇所を明確にし、堤防かさ上げなど手をつけやすい対策の実施を加速させるべきだ。

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