
NHKが行った東日本大震災から10年のアンケートで、被災した人たちへのこれまでの支援策について評価を聞いたところ、医療費や税の減免への評価が最も高くなりました。一方、災害公営住宅と高台の造成、土地のかさ上げのスピードに対しては、否定的な評価が多くなりました。
NHKは、去年12月からことし1月にかけて、震災と原発事故で被災した岩手・宮城・福島の4000人余りを対象にアンケートを行い、1805人から回答を得ました。
主な復興の支援策を受けた人に対し、スピードは早かったか遅かったか、手厚さは十分だったか不十分だったかを尋ねた質問では、「医療費や税の減免」への評価が最も高く、
▼スピードは「早かった」が84%、「遅かった」が13%、
▼手厚さは「十分だった」が70%、「不十分だった」が22%でした。
次に評価が高かったのは、「見守り活動など孤立を防ぐための支援」で、
▼スピードは「早かった」が73%、「遅かった」が22%、
▼手厚さは「十分だった」が69%、「不十分だった」が24%でした。
一方で、大規模な工事が必要になるインフラ整備のスピード面については否定的な評価が多くなりました。
このうち「災害公営住宅」については、
▼スピードが「早かった」は42%、「遅かった」は46%、
▼手厚さが「十分だった」は48%、「不十分だった」は38%でした。
また「高台の造成や土地のかさ上げ」については、
▼スピードが「早かった」は37%、「遅かった」は57%、
▼手厚さが「十分だった」は54%、「不十分だった」は36%でした。
多額の費用が投じられたものの、遅れが指摘された「高台の造成や土地のかさあげ」については、整備が必要だったと思うかも尋ねたところ、「必要だった」が84%で、「必要ではなかった」の5%を大きく上回りました。
アンケート回答者 多くが感謝の思い
岩手県宮古市の50代の女性は「医療費の免除や仮設住宅の提供、電化製品などをいただきありがたかった。また、ヘルパーさんも手伝ってもらって助かった。障がいのある姉と弟の為、大変だったが支援をいただき感謝している」とつづっています。
宮城県亘理町の70代の女性は「復興住宅に入居し、社会福祉協議会の方々が毎日2人で見回りしながら独居老人に話しかけたりしてくれたし、外になるべく出てもらうように軽運動、ラジオ体操と考えてくれ気くばりしてくれて心強かったです」とつづっています。
一方、住まいの復興の施策についてはスピードの必要性を訴えた人もいました。
去年の3月に自宅を再建したという宮城県気仙沼市の50代の男性は「市の計画で、かさ上げがいちばん後回しにされた場所だったので8年も待たされた。仮設住宅にも9年近く住む事になり、最後の退去者となってしまった。他にも行政の不備や手違い等、いろいろフリ回された感は有るがこれにて自身の復興は完了したと思います」とつづっています。
また、岩手県陸前高田市の70代の男性は「かさ上げにしても、高台集団移転にしても、結局、住む土地が確保できなければ、日々の生活に支障をきたすので一刻も早く生活を安定させたい。そんな思いで市外に転居。早く「復興」しなければ、市民は離れていく。『復興のスピード』が大事」と答えています。
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