第49回衆院選は31日、投開票される。選挙戦も大詰めを迎え、各候補が街頭演説などで新型コロナウイルス対策を訴える中、東日本大震災の被災地を抱える東北の一部選挙区では、今後の復興対策をめぐって各候補が舌戦を展開してきた。震災の発生から来年3月で丸11年。被災地の候補者たちは、有権者に何を訴えたのか。 ■宮城3区 津波に襲われた沿岸部の名取市や岩沼市などがあり、復興を課題の一つとする選挙区で、立憲民主党新人の大野園子氏(33)と、自民党前職の西村明宏氏(61)が事実上の一騎打ちを展開している。 復興政策をめぐり、大野氏は「復興住宅の家賃が上がる問題があり、安心して暮らせるように配慮が必要」と主張。復興後に軸足を置き、農家の収入を安定させるため「農業者の戸別所得補償制度を実現したい」と訴え、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出にも反対する。 一方、西村氏は「仙台空港を国際化し輸出しやすいようにした。復旧は見えてきたが、新たな歩みとして被災者の生業を作るのが政治の仕事だ」と強調。「気候変動で思いもよらない雨が降り、地元の阿武隈川が氾濫すれば被害が生じる」として、治水など復興後を見据えた政策を重視する。 無所属新人の浅田晃司氏(74)は、災害対策の強化を訴えている。 ■岩手2区 釜石市、大槌町など震災の津波で甚大な被害を受けた三陸沿岸の自治体を抱える。復興の在り方を争点の一つに、野党統一候補で立民新人の大林正英氏(57)と、自民前職の財務相、鈴木俊一氏(68)による事実上の一騎打ちとなっている。 震災後に自らの意思で釜石市に移り住み、復興支援員や市議を務めた大林氏は「海を汚してどうする」と、原発処理水の海洋放出に強く反対している。 被災地の一つ、山田町出身の鈴木氏は「地域コミュニティーの再生や被災者の心のケアに力を入れ、真の復興完遂を進める」と、ソフト面での充実を訴える。 「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」新人の荒川順子氏(68)は独自の戦い。 ■福島1区 選挙区の飯館村などは震災と原発事故の影響が今も色濃く残る。選挙戦は野党統一候補で立民前職の金子恵美氏(56)と、自民前職の亀岡偉民氏(66)の一騎打ちとなっている。 金子氏は、復興策として公共インフラの整備促進や避難指示解除の支援強化などを主張。街頭演説では原発処理水の海洋放出問題を積極的に取り上げ「県民の意見を聞かず方針を決めて風評被害も大きくなった」と白紙撤回を求めている。 亀岡氏は復興・創生策に観光振興、水素などを活用した最先端のまちづくりなどを掲げる。浜通りで医薬品の研究・製造施設を実現させたと強調し「震災やコロナ禍で苦しんだが、経済をV字回復させる」などと訴えている。
からの記事と詳細 ( 東北の被災地は「復興後」で舌戦(産経新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/3w5qEfH
No comments:
Post a Comment