熱海市伊豆山の大規模土石流の発生から3日で1年。家族を亡くしたり、自宅を失ったりした被災者の心の傷は癒えていない。そんな地域を応援する声は今も全国から届いている。地元でも、住民の力になろうと1年の節目に合わせて一歩を踏み出す被災者もいる。
岐阜県高山市の小学4年生森安ひばりさん(10)が2日、大規模土石流からの復興を目指す熱海市伊豆山を応援しようと、JR熱海駅前で路上ライブを行い、駅前を行き交う観光客や市民に募金を呼びかけた。「熱海をずっと応援したい」。伸びやかな歌声とともに伝えたメッセージに多くの観客が共感した。
森安さんは昨年7月、土石流被害を伝える報道を見て「自分にできることはないか」と思い、夏休み、冬休みを中心に高山市内でギターを片手に募金活動を行ってきた。発生から1年を迎える3日を前に、熱海市でのライブが初めて実現した。
この日はオリジナル曲を含む8曲を披露。晴天の土曜日。多くの観光客が行き交う中、懸命に歌う姿に多くの人が足を止めた。出張で香川県から同市に訪れていた団体職員結城進さん(48)は「心を動かされた。伊豆山の復興はまだ進んでいないと聞いている。自分も被災者の生活を少しでも応援したい」と話し、募金に協力した。
森安さんは「熱海の人にわくわくした気持ちを届けられたら。まだ大変な生活が続いていると思うけど、頑張ってほしい」と被災者にエールを送った。
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