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Sunday, November 6, 2022

被災学生らをW杯へ、ちょんまげ「名物サポーター」が計画…渡航費用の寄付募る - 読売新聞オンライン

taritkar.blogspot.com

 中東のカタールで20日に開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)に、全国各地で被災した高校生と大学生計5人を招待する計画が進んでいる。学生らは東日本大震災の復興のために100億円を拠出したカタールの人々に感謝を伝えるとともに、今も復興の途上にある被災地の現状を訴える予定だ。

 計画したのは、被災地でのボランティア活動を続けている千葉県柏市の角田寛和さん(59)。スタジアムではちょんまげのカツラに 甲冑かっちゅう 姿で応援する日本代表の名物サポーターだ。

 角田さんの本業は靴店の経営で、2011年3月の東日本大震災直後には車で被災地に駆けつけ、600足の靴を届けた。その後も被災地を訪れてがれきを撤去したり、支援物資を送ったりしてきた。

 14年ブラジル大会からは「世界の人に被災地のことを知ってほしい」と、東北の中学生を現地に招待するプロジェクトを開始。渡航費用を寄付で集め、18年の前回ロシア大会も含め、男女7人を連れて行った。

 今大会は東日本大震災だけでなく、18年7月の西日本豪雨、20年7月の九州豪雨の被災者も対象に。渡航を希望する高校生や大学生らと面接を重ね、宮城県女川町、福島県南相馬市、岡山県倉敷市真備町、愛媛県宇和島市、熊本県球磨村の被災者から1人ずつ男女計5人を選び出した。

 学生らはカタールで地元の大学生と交流し、自宅が全壊するなど被災した時の様子や復興の現状を伝える。日本代表の試合前にはスタジアムとそれぞれの地元をオンラインでつなぎ、活動を紹介。帰国後には報告会を開く予定だ。

 渡航費用は1人当たり約50万円。クラウドファンディングや各地で行うチャリティーイベントで寄付を募っている。予定より多く集まれば、さらに数人を連れて行くことにしている。

 カタールは12年1月、東日本大震災からの復興のため、「カタールフレンド基金」を設立。教育や水産業など4分野に100億円を投じ、被災地を支援してきた。一方、元々はプロ野球のファンだった角田さんをサッカーのとりこにした地でもある。角田さんがサポーターになったのは、1993年に日本代表が土壇場でW杯初出場を逃した「ドーハの悲劇」で号泣する選手の姿に心を打たれたのが、きっかけだからだ。

 「カタールの復興支援に日本人として感謝を伝えたい」。そう話す角田さんは「被災者同士の交流や異文化体験が、若者たちの新たな行動や連携につながれば」と願っている。

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