名古屋工業大学の教授が開発した、災害の被災地でも簡単に建てられる住宅「インスタントハウス」が、トルコ・シリア地震の被災地に建てられた。
風速80メートルにも耐えられる強度…仮設住宅としても期待
4月17日、トルコ・アンタキヤ。名古屋工業大学の北川啓介教授らのグループが、トルコ・シリア地震の被災地を訪れていた。
2023年2月にトルコ・シリア国境付近で発生した巨大地震により、20万棟以上の建物が被害を受け、今も多くの人たちがテントやコンテナハウスでの避難生活を送っている。
被災地を支援しようと送られたのが「インスタントハウス」。建築デザインなどが専門の北川教授が開発した。
袋状のテントシートに空気を送り込み、中から断熱材を吹き付けるだけで、4時間ほどで建てられる。
夏は涼しく冬は暖かい上、風速80メートルに耐えられる強度もあることから、災害時の仮設住宅としての活用も期待されている。
北川啓介教授:
ソファとかテレビとか毛布とか絨毯とかカバンとか服とか、そういったものが挟まっちゃったまんまなんですよ。震災が起きてそのまんまの状況ですね
復旧がなかなか進まない中、少しでも快適に過ごせる空間を提供したいと、インスタントハウスの販売を担う「LIFULL」と災害支援を行うNGOが協力し、トルコで実際に設営するプロジェクトが計画された。
インスタントハウスが被災地に送られるのは初めてだ。
北川啓介教授:
現地に来てくださった大工さん、あと現地の方も早く簡易住宅ができるということで来てくださったり
現地の人たちに施工方法を伝えながら協力して建てていき、わずか1日で3棟のインスタントハウスが完成した。
現地の市役所スタッフ:
(設営は)テントを張るのと同じくらい簡単だと思いました。テントは中に空気が入らないのでとても暑くなりますが、インスタントハウスは夜も涼しく、中をより安全に保ってくれると思います
北川啓介教授:
「こんなに早くできるの?」っていうのが一番多かった声ですね。皆さんの感動した様子は本当に胸をグッと打たれてですね、作ってよかったなと思いました
北川教授は、避難生活を少しでも良いものにしようと自発的に動く、トルコの人々の前向きな姿勢に感動したという。
北川啓介教授:
インスタントハウスって現地の一般の人でも作ろうと思えば作れるような仕組みになっていますので、現地の人たちが自立をしていきやすい。家をつくるというのをもっともっとシンプルにしていくことで、被災された方々の心の持ち方でも、モチベーションがグッと上がってくるものですから、どんどん私も知見を現地に届けていきたいと思っています
LIFULLは今後も、トルコ側から要望があればインスタントハウスを建てていきたいとしている。
(東海テレビ)
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