写真説明:新たにオープンした豪雨災害伝承館(広島市安佐南区で)
土石流 CGで再現、語り部常駐
77人が犠牲になった2014年8月の広島土砂災害の記憶や教訓を継承する「広島市豪雨災害伝承館」が2023年9月、被災地に開館した。広島土砂災害に関する初の伝承施設で、被災者の要望を受け、市が建設した。土石流を再現した映像や体験者の証言が上映される。同様の施設は各地に作られており、専門家は「災害が毎年相次ぐ中、防災意識を高めるために重要だ」としている。
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猛スピードで土石流が迫る
伝承館は53人が死亡した同市安佐南区八木地区の高台にある公園に整備された。建設費は約4億円。住民でつくる一般社団法人「梅林学区復興まちづくり協議会」が運営を委任された。
2階建て延べ床面積は、約500㎡。2階の展示エリアでは、同地区を襲った土石流をコンピューターグラフィックス(CG)で再現した映像を上映する。映像は、被災者の体験談を基に開発された。入館者は猛スピードで土石流が足元まで迫ってくる映像で当時の状況を追体験できる。被災者らが当時の記憶や避難生活を振り返るビデオメッセージが流れ、語り部も常駐する。
災害時には避難所に
館長を務める高岡正文さん(72)は同地区の自宅が全壊した。高岡さんは「生き残った者として、あの土砂災害を伝え続ける義務がある。9年前の経験を風化させず、未来に語り継ぐ場にしたい」と話している。
阪神大震災の教訓を伝える研究機関「人と防災未来センター」(神戸市)の監修を受け、炊き出しの体験など約100種類の防災学習プログラムを準備。大学教授や気象予報士らが講師を務め、入館者は1階の研修室(120人収容)で受講できる。
写真説明:豪雨災害伝承館で館長を務める高岡さん
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