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Tuesday, February 27, 2024

被災地支援者への炊き出し「あえて有償」 輪島のシェフが腕ふるう:北陸中日新聞Web - 中日新聞

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「復興ごはん」をほおばる静岡市職員ら=22日、石川県輪島市河井町で(横田航洋撮影)

「復興ごはん」をほおばる静岡市職員ら=22日、石川県輪島市河井町で(横田航洋撮影)

 能登半島地震で被災した石川県輪島市河井町で、地元の飲食店主ら20人ほどでつくるグループが、被災地支援や復旧作業に入った人に気兼ねなく食べてほしいと、あえて有償で炊き出しをしている。「復興ごはん」と銘打ち、主にワンコインで、プロの料理人が地元の食材で作った日替わりランチを提供。代表の池端隼也(としや)さん(44)は「食べ物は希望だ。『おいしい』と言って元気を出してほしい」と話す。

 屋内で作業員らが温かいスープに舌鼓を打つ。河井町の簡易住宅「インスタントハウス」。物資の分配作業の合間に仲間と食事を取りにきた北海道職員の杉村賢輝(けんき)さん(30)は「温かい物が食えるなんて。外での作業はものすごく寒いので、ありがたい」とほほ笑んだ。

 復興ごはんは、作業員らに食事を提供する際に500円、食材によっては千円の寄付を集める。メニューはスープやカレーなど。初めは日に2、3人の利用だったが、口コミで広がるなどして、今では県外から来た行政職員や土木業者など50人ほどが訪れる。

 池端さんは輪島市内でフランス料理店「ラトリエ・ドゥ・ノト」を営む。寝泊まりしていた店舗は地震で2階部分が崩れ、今はキャンピングカーで寝ている。自身も被災者だが、地震翌日の1月2日には無料の炊き出しを始めた。

被災地を支援する人たちに「復興ごはん」を有償で提供するスタッフ=22日、石川県輪島市河井町で(横田航洋撮影)

被災地を支援する人たちに「復興ごはん」を有償で提供するスタッフ=22日、石川県輪島市河井町で(横田航洋撮影)

 支援で入る行政職員や取材に入った報道関係者にも勧めたが、気を使ってか食べてくれない。そこで「寄付を取れば、食べてもらえる」と有償にした。飲食店の閉業や物流の混乱で販売先に困る農家の支援のため、集めた寄付で地元の食材を買う。

 炊き出しの仲間らと街の復興について話し合いを続けている池端さん。「早く、炊き出しをやらなくてもいい街にしたい」と話している。

 (飯塚大輝)

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