
2020年7月の九州豪雨で1000棟近くが全半壊した熊本県芦北町で炊き出しを続けた佐藤直子さん(49)が、泥水が流れ込んだ自宅を改修し食堂「IBUKURO」を開いた。炊き出しで振る舞ったカレーや弁当を受け取った人たちの笑顔に、食で地域を元気づけたいと考えるようになった。
20年前に結婚を機に大分県から移り住み、自然が豊かで、野菜や魚、肉もおいしい芦北町が気に入った。「もっと多くの人が訪れ、魅力が伝われば」。14年、町中心部に近い道川内(みちがわち)地区の自宅を開放して、地元の特産や手作りの小物、雑貨などを販売する「マルシェ(市場)」を始めた。町内外の農家や飲食業者など出店者は増え続けたため、町内の別の広い会場に移り、多い日には1000人を超す人が訪れるようになった。
そんな愛する町を7月4日未明、濁流が襲った。近くの佐敷(さしき)川支流からあふれた水で泥だらけになった自宅の片付けをしていた6日、地区の中で自分の家だけが停電を免れていることに気付いた。近所の人たちは卓上ガスコンロで湯を沸かしてカップ麺を食べ、風呂にも入れず水を浴びていた。「みんなに温かい食事を届けたい」。炊飯器でご飯を炊き、知り合いの飲食店主の協力を得て自宅敷地でカレーライスを振る舞うと喜ばれ…
からの記事と詳細 ( 九州豪雨半年 被災者の胃袋、幸せ届け 炊き出し契機、自宅を食堂に 熊本・芦北 - 毎日新聞 )
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