熱海市伊豆山の土石流災害の被災者を対象にした公営住宅と民間賃貸住宅の入居受け付けが三十日、市総合福祉センターで始まった。避難生活を送る被災者にとっては生活再建に向けた新たな一歩となる。(山中正義)
対象は罹災(りさい)証明書に基づく全壊、または半壊で自宅に住めない人。同センター三階に専用ブースが設けられ、県と市職員が手続きの説明や申し込み受け付けなどに応じ、初日は十件の申し込みがあった。
公営と民間両方の説明を聴いた六十代女性は「いつまでも避難所にいるわけにはいかない。不自由はないけど、出てからの生活を皆さん考えている」と話した。自宅は土石流で全壊したという。
入居募集している公営住宅は、県営が熱海、伊東、三島市で計三十七戸、熱海市営が七戸。先着順ではなく、希望や世帯の状況などを踏まえて決める。一回目の募集は八月四日までで、二回目は同月中旬に行う予定。
民間賃貸住宅は熱海、伊東、三島市と函南町で計七十四戸を確保しており、市で受け付けた後、不動産業者が物件を仲介する。
入居期間はいずれも入居日から最長二年間。
一方、三十日の捜索は消防や警察など総勢七百人態勢で実施されたが、新たに見つかった人はいなかった。死者は二十二人、行方不明者は五人で変わらない。
市は、自衛隊災害派遣部隊の隊員百八十五人が三十一日正午に撤収すると発表。これで自衛隊員は全員が撤収となる。発災以降、ピーク時には三百七十九人が捜索を支援していた。今後は、消防の県内応援部隊と県警による捜索とともに、民間重機を活用した重機主体の活動になる。
菅義偉首相は三十日、熱海の土石流を含む今年の梅雨期の大雨災害を激甚災害に指定する見込みとなったと明らかにした。これについて斉藤栄市長は「指定されると国の支援の補助率が上がる。ありがたい」と述べた。
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