弘前市の社会福祉法人弘前豊徳会が運営する介護施設で1月、東日本大震災の被災地福島県いわき市から受け入れていた女性=享年(94)=が亡くなった。埋葬されたのは、弘前市小沢の墓地公園にある合葬墓。同法人が震災発生直後から受け入れを行ってきた被災地の要介護者のうち、死後遺骨の引き取り手がなく、無縁仏として弘前の地で眠るのは4人になった。同法人は、たとえ死後でも故郷に帰してあげたい-と八方手を尽くすが、かなわないケースも。担当者は「弘前で眠る被災地の方がいることを、少しでも心に留めてもらえたら」と、静かに墓に手を合わせる。
墓地公園の一角にある合葬墓で2日、被災地からの受け入れ支援を担当している宮本航大さん(43)によって納骨が行われた。墓前にはヒマワリが手向けられた。「ヒマワリや菜の花など黄色いお花が好きだと話していたのが印象に残っていた」と、福島から花を取り寄せた。
亡くなった女性は南相馬市出身で、長らくいわき市の救護施設で暮らしていた。約3年前に同法人が受け入れ、有料老人ホームに入所。弘前での暮らしにもすぐに慣れ、部屋から見える岩木山に毎日手を合わせていた。冬になると雪にすっぽり隠れてしまう様子に驚いていた様子も、宮本さんの記憶に残っている。女性は今年1月、施設で息を引き取った。
弘前豊徳会で受け入れている要介護者は、介護人材不足が著しい地元施設での受け入れが難しいなど、困難な事情を抱えてるケースが多いことも背景にある。震災から11年が経過した今も、被災地からの受け入れ要請は絶えない。
同施設がこれまで受け入れてきた被災地の要介護者は200人以上。粘り強く帰郷支援を続けているが、その約6割は弘前で最期を迎えている。
【写真説明】亡くなった女性が好きだったヒマワリを手向け、手を合わせる宮本さん
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