居場所のない人はたくさんいる―。東日本大震災で大切な人を亡くし、止まってしまった被災者の時を再び動かす場として誕生した「傾聴移動喫茶」。被災者の悲しみに寄り添ってきた活動は、震災から11年を経て各地に広がり、病気や悩みを抱え「居場所」を求める人々の声にも耳を傾けている。
宮城県栗原市の訪問看護ステーションで9月中旬、傾聴移動喫茶「カフェ・デ・モンク」が開かれた。参加者は友人を亡くした人や緩和ケア専門の医師ら6人。主催者の僧侶、金田諦応さん(66)=同市=は、気取らずに「どんなに悲しいことも笑いにできるんだから」と優しく語る。
「ここに来て笑えて良かったじゃない」。普段はユーモアあふれる金田さんの目は、傾聴の時、真っすぐ真剣になる。それでいて、笑いを交えて自身の経験を語り、場を和ませる。育児サポートに携わり、娘(10)と訪れた女性(42)=同県大崎市=は「緩やかな時間が流れ、自然と笑ってしまった。新型コロナウイルス禍でコミュニティーも少ない。今後も参加したい」と話した。
傾聴喫茶は2011年5月に始まった。僧侶らが相手の声や思いに耳を傾け、400回以上開催。金田さんによると、活動は北海道、三重、京都など全国13カ所に広がった。16年の熊本地震では、熊本県益城町を拠点にカフェを開催。名古屋市では、家族を亡くしたり病気や不安を抱えたりする人々の集いの場になっている。
からの記事と詳細 ( 「傾聴移動喫茶」が被災者の〝居場所作り〟に貢献 東日本大震災から11年、各地に広がり(1/2ページ) - ZAKZAK )
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