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Friday, December 23, 2022

被災者の思いを“知る”きっかけに…映画「とべない風船」三浦透子さんと浅田美代子さんが語る撮影秘話【広島発 ... - FNNプライムオンライン

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2023年1月6日から全国で順次ロードーショーの映画「とべない風船」。2018年7月に広島で起きた豪雨災害がテーマだ。出演者の三浦透子さんと浅田美代子さんにインタビューし、作品への思いや撮影秘話を聞いた。

広島在住の監督・スタッフに囲まれて

12月5日、東京で行われた映画「とべない風船」の舞台挨拶。宮川博至監督をはじめ、主演の東出昌大さん、三浦透子さん、浅田美代子さんが挨拶した。

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東出昌大さん:
瀬戸内海ではアコウという高級魚が捕れるんですけど

浅田美代子さん:
お刺身ね!

東出昌大さん:
そう!アコウのお刺身を出してくださって

浅田美代子さん:
おいしかったですよ!私も初めて食べた

東出昌大さん:
だから、もしロケ地巡りをされる方がいましたら「ひらの」で、どうぞ夕食をお召し上がりください

映画のロケ地にもなった江田島市の和食店「ひらの」(左下)
映画のロケ地にもなった江田島市の和食店「ひらの」(左下)

三浦透子さん:
実家(として撮影が行われた家)がすごくよかったです。あのおうちの居心地が良すぎて…。初めておじゃました時にすぐ”実家”って思えて、すごくリラックスして撮影できましたね

実家として撮影に使われた藤本さん宅(左下)
実家として撮影に使われた藤本さん宅(左下)

映画「とべない風船」は江田島や呉などを舞台に、すべて広島で撮影が行われた。

物語は、東出昌大さんが演じる豪雨災害で家族を失い心を閉ざした漁師・憲二と、三浦透子さんが演じる人生に迷った元教師・凛子の2人が、家族や地域の人に支えられて一歩ずつ歩んでいく人間ドラマである。

舞台挨拶に合わせて、テレビ新広島の衣笠梨代キャスターが三浦透子さんと浅田美代子さんに話を聞いた。

左から、衣笠キャスター・三浦透子さん・浅田美代子さん
左から、衣笠キャスター・三浦透子さん・浅田美代子さん

衣笠キャスター:
映画「とべない風船」の出演が決まった時、最初にどう感じられましたか?

三浦透子さん:
一番は、広島に住まれている監督だったりスタッフの皆さんと広島で撮影をするという企画自体にとても惹かれました。土地の力をすごく感じながら撮影できるんだろうなと

浅田美代子さん:
素敵なお話だなぁと思ったのと、もうスタッフから何からみんな広島の人で作るっていう意気込みがすごく感じられて、ぜひ参加してみたいなと思いました

浅田美代子さん:
島の皆さんが本当に温かく迎えてくれて。チームワークもすごくよかったですよ

三浦透子さん:
地元の方が食べ物を持ってきてくださって

舞台挨拶で話題になった「ひらの」の大将
舞台挨拶で話題になった「ひらの」の大将

衣笠キャスター:
三浦さんが出演された映画「ドライブマイカー」の撮影も広島で行われましたね

三浦透子さん:
映画で広島におじゃまするのは3度目です。私、実は子どもの時に広島ガスのCMに出演していたことがあって。なんか勝手に縁を感じている場所なので、純粋にうれしかったですね

感情を丁寧に演じる 広島弁秘話も 

三浦さんが演じた凛子は、仕事で挫折を経験しさまざまな思いを抱えながら、小林薫さん演じる父親が住む島へやってくる。

三浦透子さん:
劇的に何かが大きく変化していくというより、映画の中で彼女の変化ってすごく繊細なものなんですよ。撮影順が、物語の順番と前後してしまうということもあったので、その小さな変化をちゃんと丁寧に演じられるようにっていうのは意識していました。凛子は芯はしっかりしているがゆえに、仕事でも貫きたい思いが強すぎて心が疲れてしまったりする女性なんだろうなと思っています。それが、島の人の温かさとか土地の空気の影響を受けて、ちょっとずつ心が開いていくというか…。頭も感覚も、全部使って演じられたらなっていうのは意識していました

一方で、そんな凛子を温かく迎える島の女性、居酒屋の女将・マキを浅田美代子さんが演じた。

浅田美代子さん:
あの島は空気もいいし、自分もすごく穏やかな気持ちになれる。そういうところを大事にしたいなと思って。島の外から来た人たちに対しても分け隔てなく接する役を演じられたらいいなと思いました

浅田さん演じるマキの台詞は、もちろん広島弁。

映画のワンシーン・マキ:
今日はええ魚が入ったけぇ、来んさいや。アコウやら食べたことないじゃろ

マキ(浅田美代子さん)が広島弁を話す映画のワンシーン
マキ(浅田美代子さん)が広島弁を話す映画のワンシーン

衣笠キャスター:
広島弁にはどんな印象を持ちましたか?

浅田美代子さん:
広島弁ね、実は…元夫(吉田拓郎さん)が広島の人だったんです。だから自分はしゃべったことはなかったけれど、耳には広島弁が慣れていたので。それを東出くんに言ったら思いっきりウケてました。「あ!そうですか!」みたいな感じで…

2人の互いの印象や撮影時のエピソードなども聞いてみた。

三浦透子さん:
浅田さんが気さくに話してくださって、緊張しないでいられたのがすごくありがたかったです

浅田美代子さん:
私はいつも素敵な女優さんだなと思っていたので、ご一緒できてすごくうれしかったですね

三浦透子さん:
浅田さんが運転される車の助手席に座っているシーンがあって、撮影するスタートラインへご自分でバックで戻っていかれる姿がすごく記憶に残っています

浅田美代子さん:
いちいちスタッフに代わってバックしたりするのも面倒なんで

三浦透子さん:
「全然、大丈夫」って言って。めちゃめちゃカッコ良かったです

被災した人に「わかる」とは言えない

そんな和気あいあいとした雰囲気の中で行われた撮影だが、豪雨災害がテーマの映画「とべない風船」。

2人がこの映画を通して感じたことは…

三浦透子さん:
東出さん演じる憲二は被災したその後を生きている。そんな彼と出会って、関わって…。凛子もそうですし、それを演じた自分もですけど「わかる」とは一生言えないなと、すごく感じたんですよね。でも知ることにすごく意味があるんだろうなと。知るきっかけに、この作品がなればいいなと思います

浅田美代子さん:
私は、この作品をきっかけに家族の大切さ、家族をもっと大事にしようよっていう気持ちになってもらえたらいいなと思います。いて当たり前と思っちゃってるじゃない、なんとなくね。でもやっぱり災害で大切な人を失った方もあって、いて当たり前ではないんだと

三浦透子さん:
広島の場所の力や人の力に支えられて、完成することができた作品だと思うので、ありがとうございますという気持ちでいっぱいです。広島に住んでいる方にも自分が住んでいる場所の魅力みたいなものを改めて感じてもらえるような、そういう素敵な映像が、瞬間が、たくさん詰まっている映画だと私は思っているので、ぜひ見ていただきたいです

映画「とべない風船」は、広島県内の各映画館で先行上映中。2023年1月6日から新宿ピカデリー他、全国で順次ロードーショー。

(テレビ新広島)

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